屋根修理

屋根に登るために必要な最低限度の知識とプロが行っている安全対策

屋根の上での作業は、危険を伴うため、日々の仕事で慣れている方が、万全の準備をした上で行うのが常識です。業者は、屋根の点検や修理、設備の取り付けなどで、屋根の上に登る必要がありますが、一般の方が自宅などの屋根に登る行為はお勧めできません。

一般の方にも、屋根から雨漏りしたときなど、水濡れ被害を防ぐために、屋根に登ってブルーシートを掛けようとする人がいます。また、大雪が降ったときは、建物が重さに耐えられなくなる前に、屋根に登って雪下ろしをしようとする人もいるようです。それらの作業は危険を伴う作業であり、屋根からの転落事故が毎年のように発生しています。

災害が起きたときは、業者に依頼が殺到し、中々順番が回ってこないことがあるでしょう。しかし、屋根に登る行為は、命の危険にさらされることを自覚し、くれぐれも無理な行動はなさらないでください。

屋根に登ることができる条件

職人であっても、天候や屋根の状態などに気を配り、屋根に登っても大丈夫であることを確認してから作業を開始します。屋根の上での作業に慣れている職人など、屋根での作業経験が豊富な方でも、条件が悪ければ、屋根に登って作業することは危険です。

また、専門業者は、屋根足場を設置したり、高所作業車や特殊な墜落抑止用器具などを使用したりしながら作業をしています。屋根に登ることに抵抗が少ない方は、自分の身体能力を過信せず、業者と一般の方の違いを軽視しないようにしましょう。

梯子を使って登れるのは5寸勾配まで、6寸勾配以上は屋根足場が必要

梯子を使って屋根に登れるのは5寸勾配までであり、6寸を超える急勾配の屋根では、足場を設置しなければなりません。6寸勾配以上の屋根面を作業床としてみなすことは不適切です。

屋根は勾配を急にした方が、雨漏りしにくかったり、雪が積もりにくかったりといったメリットがあります。しかし、急勾配の屋根は、点検や修理などをする際は、デメリットになるのです。

屋根に登ってよいのは天候に問題がない日

雨が降っていたり、強風に煽られたりするような日は、絶対に屋根に登ってはいけません。雨で濡れた状態の屋根は、滑りやすく非常に危険です。例え雨漏りしていても、自分で屋根に登ったり、業者に無理な依頼をしたりすることは控えてください。

また、晴れの日であっても、前日までの雨が残っているときは、作業を控えるべきです。滑りやすいことに変わりはありません。

勾配のある屋根の上は、晴れた日であっても体勢を崩すと危険であり、特に急な勾配の屋根や、屋根の角地での作業では細心の注意を要します。悪天候での作業は、命に関わる危険な行為です。

屋根の材質や構造などを熟知することが大切

屋根職人は、屋根材を仕事で扱っているため、屋根材や建物の構造などを熟知しています。また、屋根の上での作業に慣れていて、経験値があります。一般の方が軽率な行動を取ることは、控えるべきです。慣れていない方が屋根に登ると、危険にさらされるだけでなく、屋根材を破損させる心配もあります。

金属屋根の建物は、他の屋根材に比べて緩やかな勾配の屋根がありますが、濡れた状態ではとても滑りやすくなります。縦葺きの金属屋根には、1寸勾配程度の緩やかな屋根がありますが、雨の日は滑りやすく危険であることに変わりはありません。

化粧スレート屋根は、少なくとも3寸勾配以上あるため、傾斜ができ、油断すると滑ったり、体勢を崩したりして危険です。また、経年劣化した化粧スレートは、水を吸いやすく、水を含み湿った状態になっていたり、苔が生えていたりすることがあります。雨の日はもちろん、一見乾いていても、滑りやすいので注意が必要です。

和瓦屋根になると、一般的に4寸勾配以上が必要ですし、慣れていない方にとっては歩きにくいはずです。瓦が経年劣化していると、破損させたり、足を踏み外したりする危険性も高くなるでしょう。

屋根に登るときに安全対策として用意する装備

安全対策の基本は、服装からです。屋根に登るときは、足場や梯子などのほかに、安全対策として「安全靴」「作業用手袋」「墜落抑止用器具(安全帯)」「ヘルメット(保護帽)」などの装備を用意しなければなりません。どの装備に関しても、検定合格品の中から、屋根の上での作業に適した製品を選ぶようにしてください。

滑りやすい屋根の上では、滑り止め付き安全靴が必要ですが、どのような安全靴を選ぶかも重要です。検定合格品の中から、屋根の材質や勾配、気象条件などを考慮した上で、耐滑性・安全性・屈曲性などに優れた製品を選ぶとよいでしょう。

作業用手袋は、作業中はもちろん、滑って危険にさらされたときも、手を保護してくれますので、機能の高い手袋を選んでください。滑りそうになって、何かを掴んだり、屋根に手を押し当てたりしたときのことも考えて、丈夫で動かしやすいものが好ましいでしょう。

高さ2m以上の高所作業では、作業床等の設置が困難な場合は、墜落抑止用器具(安全帯)の使用が義務付けられています。作業床とは、足場を組んだときに、歩いたり作業したりするスペースのことです。つまり、2m以上の高所作業では、足場の設置が望ましですが、設置が困難な場合は、墜落抑止用器具(安全帯)などによる代替措置が認められます。

安全帯と言った方が馴染み深いかもしれませんが、安全帯の規格が改正され、名称も墜落抑止用器具に変更されました。

参照元:厚生労働省公式サイト
「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」2018年6月公表
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212834.html

また、着用する衣服は動きやすい作業着が望まれ、頭を保護するためのヘルメットも必要です。屋根の上での作業に慣れている業者であっても、安全対策に万全を期して、作業をしています。一般の方が、安全対策を怠ったまま、屋根に登る行為は命取りになりかねないのは当然と言えるでしょう。

梯子を屋根に立て掛けるときの注意点

屋根に立て掛けた梯子は、横滑りをして倒れる危険性があります。製品の側面に貼られている使用上の注意などをよく確認した上で、作業を開始してください。

梯子掛けの基本事項や注意事項として、次のような事が挙げられます。

  • ・梯子は平らで安定した所に設置する
    ・梯子を立て掛ける設置角度は75度
    ・梯子先端を軒先の接点から上に出す長さは60cm以上
    ・梯子の下を土嚢袋などで固定し上部もしくは中間付近の合計2カ所以上を固定
    ・屋根のケラバなどは不安定になるため設置を避け軒先に立て掛ける
    ・電線などの引き込み線や障害物がある箇所への設置を避ける
    ・梯子が確実に固定されるまでは梯子を押さえる補助者が必要
    ・折り畳み式梯子は不安定なため2連梯子などを使う
    ・屋根を破損させないため梯子用アタッチメントを取り付けたり養生したりする
    ・親綱は丈夫な立ち木や柱など堅固な構造物に固定するか土嚢袋を重りにする
    ・親綱は作業人数分以上の本数が必要
    ・物を屋根に上げるときは腰袋や背負える収納袋を使うか紐で釣り上げる
    ・屋根の上では梯子や脚立を使用しない
    ・単独作業はしない

まとめ

屋根からの転落事故が後を絶たず、毎年のように起きています。本来、2m以上の高所作業では、足場と囲いなどの設置をするか、墜落抑止用器具の使用が義務付けられています。しかし、規則を守らずに、一般の方が屋根に登っていることもあるようです。屋根に登っての作業は、業者に任せるべきで、一般の方が屋根に登る行為はお勧めできません。

屋根からの転落事故では、骨折したり頭部を強打したりするなど、大怪我に繋がる危険性があります。高所からの転落事故では、後遺症が残ることがあり、最悪の場合は死亡事故になりかねません。

雨漏りや大雪などから、住まいを守りたい気持ちは分かりますが、安全対策をしないまま屋根に登ると、命を落とす危険性があることを十分認識してください。

ABOUT ME
山下 幸三
山下 幸三
大学卒業後、大手ゼネコンで設計を担当。現在はスマートサービスの屋根修理分野の記事担当。実家の屋根のリフォーム会社を手伝いながらホームページで屋根周りのことを書いていきます。外装周りならなんでも話せますのでお気軽にお問い合わせください。
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