屋根修理

屋根の塗り替え時期について種類別に解説

屋根材には、さまざまな種類がありますが、塗り替えが必要なのは、スレート屋根やセメント瓦屋根、ガルバリウム鋼板屋根、トタン屋根などです。塗り替えが必要となるこれらの屋根材について、種類別に解説します。

スレート屋根の塗り替え時期

スレート(slate)とは本来、粘板岩のことですが、天然スレートを模してセメントで製造した化粧スレートが、広く普及しています。化粧スレートは、セメントに珪砂や補強繊維などを混ぜ合わせて、厚さ5、6mm程度の薄板状に加圧成形した人造スレートです。化粧スレートは、カラーベストコロニアルと呼ばれることもありますが、これらは建材メーカーであるケイミューのブランド名です。

かつての化粧スレートは、発癌性のある石綿(アスベスト)を混ぜていたため、石綿スレートとも呼ばれていました。石綿は、社会問題となる90年代ごろまで建材に使われていましたが、現在は使われていません。

化粧スレートは、セメントを成型加工した後、撥水性を持たせ素材を保護するために、塗装により仕上げています。しかし化粧スレートは、比較的に安価な屋根材が多く、経年により変色や脱色が起こる製品が多いようです。表面の塗膜が劣化した場合は、塗装によるメンテナンスが必要であり、放置すると基材の劣化が早まります。塗装が色褪せしてきたら、2、3年以内に塗り替えることをお勧めします。

化粧スレートは、水を吸いやすいセメントを基材とする屋根材です。しかも化粧スレートは薄板状のため、メンテナンスを怠り劣化が進行すると、屋根材の下に雨水を通し、雨漏りの原因になりやすいのです。屋根材の下には、ルーフィングがあるため、すぐに雨漏りすることはありません。しかし、屋根が湿った状態になると、建物に悪影響を及ぼすことになるでしょう。

色褪せした化粧スレートは、撥水性がなくなり、水を吸いやすくなります。化粧スレートが水を吸うと、塗膜が剥がれたり、苔や藻や黴が生えたりして、劣化が進みます。また、化粧スレートは薄板状の屋根材のため、水を吸ったり乾燥したりを繰り返すと、反りかえることもあるのです。そして、ひびが入ったり割れたりもします。

多少の劣化であれば、ひびなどをコーキング処理し、下地調整をしっかりとした上で、塗装することも可能です。ただし、劣化のひどい部分に関しては、屋根材の交換が必要です。また、屋根全体の経年劣化が進んでいるようであれば、全面的な葺き替えを検討する必要があるでしょう。

化粧スレートの塗り替えは、10年前後を目安とすることが多いようです。なぜなら、一般的な塗料の寿命が、長くて10年程度だからです。もちろん、屋根材の耐候性が高く、劣化していないのであれば、塗装の必要はありません。そうでなければ、10年前後を目安に、屋根の劣化が軽いうちに塗装すると良いでしょう。

ただ、化粧スレートの寿命に関しては、一般的に20~30年程度と言われています。定期的に塗り替えをしても、極端に寿命が延びるわけではありません。しかし、美観や屋根の撥水性など、さまざまな点を考慮すると、塗装するメリットは高いでしょう。化粧スレートの塗り替え時期は、塗装が色褪せし、劣化が始まったときです。

セメント瓦屋根の塗り替え時期

セメント瓦は、コンクリートを厚型の瓦状に成型加工し、表面を塗膜で仕上げた屋根材です。セメント瓦屋根の寿命は40年から60年と言われています。厚型のセメント瓦は、丈夫な屋根材のため、葺き替えが必要になるのは、40年から60年後になるでしょう。

ただし、塗装する前のセメント瓦本体は、防水性が低く、吸水しやすい状態です。そのため、風雨や日光に晒される表面を、塗膜によって保護する必要があるのです。塗装には、美観だけでなく、撥水性を高め、素材を保護するという重要な役割があります。

一般的なセメント瓦は、塗装された状態で工場から出荷されますが、塗料の種類や塗装方法の違いにより、塗膜の耐候性が変わります。これは、塗り替え時に使用する塗料によって、耐用年数が変わるのと同じです。近年は、セメント瓦本体の強度を高くし、高品質な仕上げ加工を施したセメント瓦が販売されています。セラミックなどの無機系塗膜であれば、30年程度も、色の変化がほとんど目立たないようです。

しかしセメント瓦は、これまで多くの製品が販売されてきました。セメント瓦本体および塗膜加工の性能は、千差万別です。古いセメント瓦の場合、すでに廃番になった製品かもしれません。セメント瓦に関しては、製品に合った塗装をしなければ、すぐに剥がれてくるなどのトラブルが発生することがあります。他の屋根材に関しても言えることですが、屋根材の種類や塗装方法に関して、熟知した塗装業者に依頼しましょう。

一般的なセメント瓦の多くは、美観を保ち、経年劣化を防ぐため、塗装によるメンテナンスが必要です。丈夫な厚型のセメント瓦であっても、風雨や日光に晒されると、表面から経年劣化します。セメント瓦は種類が多く、性能がまちまちのため、塗装が必要になる時期が、製品によって変わります。

セメント瓦を長持ちさせるためには、塗膜が劣化する前に、塗り替えることが大切です。セメント瓦は、年数が経つにつれて、表面の塗装が色褪せてきます。色褪せする時期は、塗膜の種類や住宅環境により変わります。塗膜が劣化してきたのであれば、専門業者に塗り替えの相談をすべき時期と言えるでしょう。塗装が色褪せしてきたら、2、3年以内に塗り替えることをお勧めします。

塗膜が劣化したセメント瓦は、雨水を吸収しやすくなります。これは、セメント瓦本体の劣化の始まりです。雨水を吸収するようになり、セメントの成分が流出すると、細骨材が現れます。また、黴や苔が生えたり、衝撃や凍結で破損したりすることがあるのです。そうなると、塗り替えだけではリフォームできず、葺き替えが必要になることもあるでしょう。

ガルバリウム鋼板屋根およびトタン屋根の塗り替え時期

ガルバリウム鋼板とは、アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板のことです。ガルバリウム鋼板は、トタンに代わる屋根材として、広く普及し定着しました。近年では、新築やリフォームする際の鋼板屋根には、トタンではなく、ガルバリウム鋼板が使われています。金属系の屋根材には、塗装が不要な銅板やステンレス鋼板もありますが、これらは高価格です。

また、ジンカリウム鋼板という製品がありますが、商標が違うだけで、ガルバリウム鋼板とほぼ同じ鋼板と考えてよいでしょう。ただ、ジンカリウム鋼板に関しては、表面に石粒を付着させたメンテナンスフリーの製品が多いという、違いがあります。これらの製品であれば、遮音性も改善され、雨音対策にもなるでしょう。

ガルバリウム鋼板は、亜鉛めっき鋼板であるトタンと比較すると、約3~6倍の耐久性を期待できます。しかも、加工性や塗装性に関してもトタンと同等です。そして、ガルバリウム鋼板の3倍超の耐食性を期待できる、SGL という鋼板も開発されました。SGLのSはSuperior(上質な)・ Special(特別な)・Super(超越した)などを意味し、GLはガルバリウムの略です。SGLは、ガルバリウム鋼板のめっき組成に、さらに2%のマグネシウムを添加しています。

塗装されている一般的なガルバリウム鋼板は、塗膜が劣化した場合、塗り替えが必要です。屋根材に使われる鋼板には、ステンレス鋼板もありますが、ステンレス鋼板はクロムおよびニッケルとの合金です。ステンレス鋼板は、素材自体が非常に錆びに強いという特長を備えています。しかし、ガルバリウム鋼板は、あくまでめっき鋼板のため、切断面などから錆が発生する恐れがあるのです。ただ、ステンレス鋼板が硬い素材であるのに対して、ガルバリウム鋼板やカラートタンには加工しやすいというメリットがあります。

ガルバリウム鋼板の塗り替え時期に関しては、工場での塗膜処理において、使われた塗料や塗装方法などにより変わります。それから住宅環境が、影響を及ぼすこともあるでしょう。いずれにしても、塗膜が色褪せしてきたら、塗り替えの検討時期です。

近年は、フッ素樹脂など、耐久性の高い塗料を使用している製品が多くなっています。フッ素樹脂塗装の製品であれば、15~20年の塗膜保障が付いていることが多いようです。フッ素樹脂には、紫外線に強い、汚れが付きにくい、雪が滑り落ちやすい、などの特長があります。他の製品であっても、通常の使用状況であれば、10年程度は塗り替えの必要はないでしょう。

ただし、錆びが発生したときは、錆びを除去した上で、塗装しなければなりません。ガルバリウム鋼板は、耐久性が高い鋼板のため、無塗装で使用されることもある鋼板です。しかし、傷から赤錆が発生したり、亜鉛の酸化による白錆が発生したり、もらい錆びから錆たりすることがあります。金属は腐食すると錆が発生しますが、鉄鋼に見られるのが赤錆で、アルミニウムや亜鉛の表面に見られるのが白錆です。

まとめ

建築物の塗装面は、紫外線や風雨などにより劣化すると、チョーキング現象が起こります。チョーキング現象とは、白亜化ともいい、塗料の色成分である顔料が、劣化して粉状になる現象のことです。屋根材の塗膜は、経年劣化により、変退色したり、割れたり剥がれたりすることもあります。

どの屋根材に関しても、定期的な屋根点検をして、塗膜に色褪せや劣化がないかを確認することで、塗り替え時期を判断できます。屋根点検をすると、塗り替え時期を知るだけでなく、屋根の不具合に気付く、足掛かりにもなるでしょう。

ABOUT ME
山下 幸三
山下 幸三
大学卒業後、大手ゼネコンで設計を担当。現在はスマートサービスの屋根修理分野の記事担当。実家の屋根のリフォーム会社を手伝いながらホームページで屋根周りのことを書いていきます。外装周りならなんでも話せますのでお気軽にお問い合わせください。
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